●1月31日 特別講演会「障害者自立支援法の今後と予想される新法」(講師=又村あおい氏)
♪又村あおい氏講演会
「政権交代って、自閉症の人にも関係あるの?」 の ミジカイ報告
支援法=障害者自立支援法 総合福祉法=障がい者総合福祉法(仮称)
推進会議=障がい者制度改革推進会議 権利条約=国連の障害者権利条約
*2時間に及ぶ講演と、事前にお渡ししておいた16の質問へのお答えの全貌を報告することは到底できません。しかし、今ほど、自閉症の人が必要とする支援について、声をあげなければならない時はないのではないかと思われます。内閣府が立ち上げた障がい者制度改革推進会議にゆだねられているものの大きさ――障がいをもつ人のこれからの暮らしを左右する議論が進んでいます。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html
*貴重な講演のホンの一端ではありますが、組み立てにくい、数字に表しにくい自閉症の人への支援について、考えるきっかけになればと念じています。 【文責 KASA】
*
■又村あおいさんの〝近未来予想図〟によると…■
□現民主党政権は、
①平成23年度末(遅くとも24年度末=平成25年4月?)に支援法を廃止する、②それまで支援
法の改正は行わない、
③支援法の不備については政省令改正などで是正していく(利用料負担の軽減措置など)、
④廃止後に総合福祉法を立ち上げる(ソフトランディング)、⑤総合福祉法についてはこの間、十
分な議論を重ねる。そのために、当事者を含む推進会議を組織する。
と、考えています。
□では、支援法にかわる障がい者総合福祉法(仮称)とはどんなものになるのでしょうか。その方
向性がうかがえるのは、「民主党障がい者政策プロジェクトチームによる改革案」(09年4月9
日※)や、障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と国(厚生労働省)との間に取り交わされ
た「基本合意文書」(10年1月7日)に盛りこまれた考え方です。
http://www1.normanet.ne.jp/~ww101926/teigen/kihongouibunsyo.pdf#search=
※⇒特筆すべきものは、「障がい者の総合的な福祉施策のあり方を考えていく」という打ち出し
です。「国連の障害者権利条約」の批准をめざすとし、そのため、締約国に求められる事
業を達成できるよう、障がい者等に係る広範な国内法の制度改革及び整備を行うという心構
えです(後段参照※※)。
□予想される改正部分としては・・・(特に自閉症に関係あるものは青字)、
項 目 |
改 正 点 |
備 考 |
制度利用対象者 |
従来の3障害に加え、発達、高次脳機能障害、さらに難病や内部障害も含める |
発達障害や高次脳機能は、従来の制度でも対象となっていたが、認知不足であった(市町村が対応しない場合があった) |
障害者手帳制度 |
手帳制度を廃止し、「社会参加カード」(仮称)を創設。「なんらかの障害により |
従来の手帳による割引制度などはどうなる? |
利用者負担 |
原則、応益負担から応能負担へ |
|
事業所への報酬支払い方法 |
日額払いから原則月額払いへ(組合せのあり)。基礎事業費引き上げ |
サービスのタイプによって、日額のほうがいい場合も。ポイントは運営できる単価となっているか、だろう |
サービス利用の支給決定のあり方 |
障害程度区分を廃止。「サービス支給にかかるガイドライン(仮称)」を新設、サービス支給案を決定、それを障害者サービス委員会(仮称)が審査し決定。 |
ここは特に重要。どういう暮らしをしたいか、そのためにどういう支援が必要か、具体的にまとめていく必要 |
相談支援(ケアマネージメント |
調査専門委員(仮称)を新設し、利用ニーズ調査を行う。社会福祉法人やNPOなどの積極的活用、体制強化 |
ケアマネの質・量の確保は? |
サービス体系 |
介護給付、訓練等給付、地域生活支援事業の3類型は、踏襲される可能性大。た |
|
障がいのある子どもへの支援 |
総合福祉法に一本化。 |
当事者団体から児童福祉法で対応すべきとの意見 |
自立支援医療 |
当面、変更はないが、重大な課題と認識 |
|
□※※しかし、今回の法改正には、単に支援法(福祉サービス制度)の改正に終わらない、もっと
大きな課題が設定されています。それは、民主党政権が、国連の障害者権利条約の批准を行いた
いと考えていることです。先の政権では、権利条約の署名は行っています(賛成の意思は示した)
が、批准はなされていません。批准するためには、締約国に求められる国内法の整備が必要とな
ります。それはさまざまな省(総務省、自治省、文部科学省など)に係る事柄になるので、(厚
生労働省ではなく)内閣府が鳩山総理を本部長とする「障がい者制度改革推進本部」を設置(09
年12月15日)しました。
そしてさらに、障害者にかかわる制度の集中的な改革を行うため(5年という期間が想定されて
いる)「障がい者制度改革推進会議」が設置されました。
□推進会議のメンバー24名のうちには、障害当事者、あるいは当事者団体の代表が14名含まれて
いるという画期的な構成になっています。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/pdf/meibo.pdf
□推進会議は、1月12日に第1回目が、2回目が2月2日、3回目が2月15日、4回目が3月1日
に開催されています(毎月2回、4時間)。課題の仕分けが8月か、9月までに行われ(中間とり
まとめ)、必要に応じて施策分野別の部会が組織され、具体的、詳細な検討が行われていくこと
になっています。
□ところで、その推進会議に自閉症関係者は参加しているかというと……いません。障がい当事者、
あるいは代弁できる人、関係団体の代表はいないのです(高次脳機能障害も、難病の関係者もい
ない)。
■又村あおいさんのアドバイスによれば…■
□今からでもできることとして
・制度的にどうかというよりも、「自分(その人)の暮らしはどうありたいか」を考えること。そ
して、ニーズをあげていくこと。
・意見を上げるのは、中間とりまとめまでにしたほうがいい、決まってからでは動かすのは
難しい。
・そして、今後、組織される部会がどういうテーマを掲げ、どういう方々が集められるか、も
大事なポイント。
⇒内閣府HPの推進会議のところで、パブリックコメントを募集しています。
http://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/kaikaku/kaikaku.html#kaigi
から入って、「障がい者制度改革推進会議」の頁に 「推進会議へのご意見はこちら」というボタ
ンがあるので、クリック。
・そのほか…
○発達障害者支援法は、今回、まったく論議されていない。もともと理念法なので、具体的なサ
ービスなどは触れられていない。この法律を実態法へと改正していく方法もあるだろうが、発
達障害者がどういうものを必要としているか、総合福祉法のなかに組み入れていくチャンスで
もあろう。
○就労支援について、たとえば、ハローワークのコーディネートなのか、就労スキルを身につけ
るプログラムが必要なのか、具体的なプログラムを総合福祉法の中に要望していくといい。
○支援の組み立て(ニーズのアセスメント)は、スキルのある調査員がいて、組み立ててくれる
といいが。関係機関に自閉症・発達障害の理解者はいるだろうか。ここで、専門家との連携が
図れないか。
○障害の早期発見は進んでいるが、早期支援は進んでいない。市町村にがんばってもらいたいと
ころ。支援の専門性も必要。
○個別支援計画作成に際して、ICFの考え方がベースをなることは確実。ただ、ICFは障害の範
囲を越えるものなので、どの範囲まで対応できるか、財源の問題とも重なる。
*推進会議の議論が進み、課題の骨格が見えてきた頃、また又村さんに講演をお願いする予定です。
♪又村あおい氏講演会
「政権交代って、自閉症の人にも関係あるの?」 お知らせ ~終了しました~
NPO法人東京都自閉症協会主催
☆自閉症に関する法制度についての特別講演会☆
「政権交代って 自閉症の人にも関係あるの?」
~障害者自立支援法の今後と予想される新法~
講師=又村あおい氏
神奈川県平塚市役所勤務、全日本育成会機関誌「手をつなぐ」編集委員、
ふれんど宙船(しっぷ)理事。
障害者自立支援法攻略法など、支援法についての論考多数。
『自閉症の人を支援する 障害者自立支援法のカシコイ使い方』(当協会発行)の中で、
支援法の問題点を指摘し、特に自閉症の人に、法制度に対応するすべを訴えてきた又村氏。
この混沌たる時期に、支援法と新しい法案の輪郭を明確に仕分けをし、さらに問題点を指摘する。
知っていないと、損する内容です!!
「予想される各種の障がい者関連施策改革について、特に自閉症(発達障害)の人に影響が
大きいと思われる部分を中心にお話しします」(=又村氏)
○日時=2010年1月31日(日)午後2時~4時(開場1時半)
○会場=セシオン杉並 2階 視聴覚室 定員80名

○申込み方法=「又村講演会参加申込み」として、お名前(会員・非会員の別もお書きください)、
お立場(保護者、教育関係、福祉施設関係など)と、連絡先(電話、FAX,アドレスなど。必ず!)を書いてお送りください。 ⇒FAX:03-3232-6171 ⇒メール:autism@の後ろにlapis.plala.or.jp とつけてください。
*定員になりしだい、締め切ります。お断りする場合、その旨、ご連絡をさしあげます。
*お聞きになりたいことがあれば、お書き添えください。
○参加費=会員無料、非会員1000円