社団法人 日本自閉症協会東京都支部

●バリアフリー新法

 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」に基づく
 政省令案及び基本方針案に関するパブリックコメント

社団法人日本自閉症協会東京都支部  支部長 中村文子(ナカムラフミコ) 
住所 〒162-0051 東京都新宿区西早稲田2-2-8 全国心身障害児福祉財団 3F
電話番号  電話  03-3232-6169  FAX 03-3232-6171
メールアドレス  tokyo(このあと@autism.jpを続けてください)

(意見1)
バリアフリー新法の運用にあたっては,発達障害(自閉症,広汎性発達障害,高機能自閉症,アスペルガー症候群,AD/HD,LD等)を持っている人や子どもに多い感覚過敏に配慮してください
(理由1)
発達障害を持っている人の中には,感覚に関して非常に過敏な傾向を持っている人が多く含まれています。たとえば,におい,光の強さ,輝度,コントラスト,低周波,音,温度,気圧,触覚,痛みなどに対して,非常に敏感で,通常の人では何も感じない建物や乗り物でも利用できないことがあります。このような発達障害者に多い感覚過敏に配慮したバリアフリーの推進が行われるように要請いたします。

(意見2)
発達障害(自閉症,広汎性発達障害,高機能自閉症,アスペルガー症候群,AD/HD,LD等)の特性に留意し,情報はできるだけわかりやすく,いつでも,どこでも,同じように情報が受け取れるようにしてください。
(理由2)
発達障害の機序はまだ全面的に解明されてはいませんが,脳の情報処理に関するなんらかの機能障害があると推測されています。そのため,一度にいくつもの情報を並行して処理したり,背景から他の情報を読み取ったりするなどの複雑な情報処理は,通常の人よりも苦手とする人が多いようです。たとえば,ピクトグラムであれば,色・形・大きさが統一され,掲示される場所も一定のルールがあるなど,いつでも,どこでも,同じように情報が受け取れるなど掲示物や表示は,できるだけわかりやすく,色・形・大きさも統一されていることが重要です。また,掲示がもっとも本人のペースで確認ができる伝達方法です。音声による伝達だけでなく,見てわかりやすい伝達方法も併用するようにしてください。

(意見3)
自閉症や広汎性発達障害を持つ人のコミュニケーションを補助するためのコミュニケーション支援ボードの使用を推奨してください。
(理由3)
自閉症や広汎性発達障害を持つ人や子どもの中には,言語によるコミュニケーションが苦手だったり,読み・書きの能力が十分に発達していない人が少なくありません。そのような場合,コミュニケーション支援ボード(コミュニケーションに必要な最低限の内容が簡単なことばとイラストが描かれており,それを指差したりすることで,意思の疎通をはかる)が非常に有効です。主要な駅や建物などにコミュニケーション支援ボードを用意するようにしてください。

(意見4)
厚生労働省,文部科学省と連携し,福祉,保健,医療,教育の分野でも,本法の趣旨に沿って,発達障害(自閉症,広汎性発達障害,高機能自閉症,アスペルガー症候群,AD/HD,LD等)に配慮したバリアフリー化が推進されるようご協力ください。
(理由4)
発達障害を持つ人や子どもがよく使う施設,病院,学校などで,発達障害に配慮した施設作りや学校作りは必ずしも行われていないのが現状です。国土交通省と両省とが連携し,発達障害に配慮した施設や学校づくりが推進されるように,ご配慮くださるよう要請します。

(意見5)
心のバリアフリーに発達障害(自閉症,広汎性発達障害,高機能自閉症,アスペルガー症候群,AD/HD,LD等)に配慮したプログラムを入れてください。
(理由5)
国民の責務としての心のバリアフリーの促進に際し,発達障害者の自立した日常生活及び社会生活を確保するために,発達障害についての理解を深めたり,支援の方法について学んだりするような,発達障害に配慮したプログラムを積極的に広めていただくように要請いたします。

(意見6)
発達障害(自閉症,広汎性発達障害,高機能自閉症,アスペルガー症候群,AD/HD,LD等)を持つ人や子どもに関する現状や移動に関する困難についての調査・研究を推進してください。
(理由6)
 今回の法律により,障害者には,身体障害者のみならず,発達障害を含むすべての障害者が含まれるとされましたが,中でも発達障害については,発達障害者支援法ができてからまだ一年半と日が浅いこともあり,移動円滑化の観点からの調査・研究はほとんど手がつけられていない状況です。発達障害者の移動等に関する困難について調査や研究で明らかにし,今後の施策に役立てていただくことを要請いたします。




【このサイトについて】【ページトップへ】