●音符と昆布
1月26日からアスペルガー症候群の女性が主人公の映画
「音符と昆布」のロードショーが始まります!
音符と昆布公式サイト http://www.onkon.jp/
井上春生監督のサイト http://www.hug-machine.com/
映画のあらすじは、上記リンクの公式サイトでどうぞ。
東京都支部の会員でもある井上監督が、この映画について書かれた文章を掲載します。監督のこの映画にこめられた思いを感じてください。

ひとつめ、人は何かが欠けていること自体がその人のアイデンティティになることがあります。
そんな二つのアイデンティティの出会いと葛藤がテーマです。
ふたつめ、姉妹の映画というと、姉はひたすら我慢をし、妹は姉の羽根の下でお茶目になる。
その逆をいこうと思いました。
みっつめ、いわゆる卓袱台の周りの姉妹の物語を、派手さや映画によくある事件のための事件を抑制して描きたいと思いました。
最後に、人は何かが欠けているからこそワタシなのだと思います。誰しもが感じていることなのかもしれません。それが人を前に進ませてくれます。
アスペルガーの女性と会って話を聞いたとき、相手をおもんばかりその場にいながら自分と言う名の圧力を消す。衣裳あわせのとき、鞄、ピアニカ、日傘を両手に抱え、色んな所作を見せ、すでに役に入ってくる。
与えられた役割を無限に広げていく彼女の様々なストロークは、人を幸せにするキレイな自己主張になっていました。そこに本当の俳優を見たような気がします。
子供が文字を書き始めるとき、線を文字という決まりの中に収めていこうとしますが、かりんは規格外、途中でとぎれたり、ありえない斜線とか、力ずくで先へ先へと
鉛筆を押していくように、かりんの仕草も言葉遣いもそうなるわけで、私の頭の中の紙の裏には、まだかりんの必死な筆跡のくぼみが鮮明に残っています。
受難の役というのは果てしなく難しい。妹にとって姉の存在を認めることは、出発でもあり人生の大きな後退にも感じられる。
自分の正体を打ち明けることは密かな敗北にもつながる。シナリオの号外も出る中、彼女は気持ち、動きを詳細に検証していました。
じっとしていても緊張感を保ちつつ気持ちが解放されている。だから、ももの気持ちが自然に流れて、市川さんは受難という不自由な書き割りをブレずに確固としたものにしてくれました。
お客さんは、今この人、こんなふうに思ってるんだろうなって想像することが楽しいわけで、映画の演技というものを勉強させてくれました。市川由衣はシネマの世界の人です。
宇崎さんとは一度化粧品のCMナレーションで、テストなしのいきなり本番でとりました。
映画でも存在感の人であり、佇んでいるだけでシーンが成立します。
親父にも実は弱みがあり、役として50代男のカマトトをたまに娘に出すと親子関係が成り立つのでとお願いしました。
妹の彼氏役の石川伸一郎さんは、今日泊まっていきま~すと、ロケセットでスタッフとも寝泊まりするくらいのフランクな人で、役のキャラクターをブラさず、しかも多彩な表現ができて気持ちいいです。
母役の島田律子さんは、ご自身の文化的なご活動も含めて存じ上げていたのでこの映画に是非とご出演を依頼しました。ご本人はエブリタイムポジティブ。
劇団詐欺師のグループの3人の木村、牧田、山根の3氏は淡々としている作風で、昔の松竹映画から抜け出してきた感じです。
音楽プロデューサーの松尾KC潔氏と歌詞、楽曲について何回も打ち合わせをしたクリエイティブな時間は楽しく、朝が知らぬ間にやってきたことも数度。
氏がプロデュースするCHIXCHIKSは6人の女の子の個性を大切にしていて、昔食べた懐かしいカラフルなドロップスのような感じ。
懐かしさにひたれるし、今風に舌の上で弾けもするし、クラシカルなジャズも耳に残っているあのポップスも難なくこなしてしまう実力派だったりするので聴き応えがあって、とりあえず主題歌も挿入歌も、ジャズまでも聴けるCHIXCHIKSライブへすぐ直行してください。ホンモノです。
